見方を変えてあげる、いいまわし

セルビアの革命がうまくいったのは「今すぐに行動を起こす必要に迫られていた」ことがセルビア人に明確に伝わったのです。そうでなければ、人々は現状維持のために抵抗します。

のちにノーベル賞を受賞した研究です。ある児童メーカーの重役だと思ってください。経済的な理由から3つの工場を閉鎖して6,000人の従業員を解雇しなくてはいけません。そのやり方は2つ。

A.3つのうち1つの工場と2,000人の職を救うことができる。
B.3つの全ての工場と6,000人を救える可能性が1/3である。しかし工場も職も全く救えない可能性が2/3ある。

大部分の80%がリスクを冒すのではない安全なAを選びます。ですが次の選択です。

A.3つのうち2つの工場と4,000人の職が失われる。
B.3つの全ての工場と6,000人の職が失われる可能性が2/3ある。だが全ての工場と職を救える可能性が1/3ある。

理論としては同じ選択肢ですが、心理的には違ってみえます。2つ目の質問では82%の人がBを選んだのです。1つ目は「得るものは何か」2つ目では「確実に失うものは何か」の視点で選択肢が作られています。つまり利益ではなく損失が協調されるよう言い方を変えると、リスクの見方も劇的に変えることができるのです。

参照:アダム・グラント著 シェリル・サンドバーグ解説 楠木 健 監訳『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代 三笠書房